肥料Q&A

Q1:シンプロットの緩効性肥料は絶対肥料焼けしないのでしょうか?

Q2:コーティングの粒が芝刈り機などで拾われてしまわないのでしょうか?

Q3:シンプロットの肥料は他の輸入肥料に比べて価格が安いのはなぜでしょうか?

Q4:シンプロットの肥料はいろいろな色の粒が入っていますがどうしてですか?

Q5:シンプロットの肥料を使えば有機肥料はいらないのですか?

Q6:1袋千円台の化成肥料を使っていますが、それよりシンプロットの肥料は安いですか?

Q7:窒素は芝生を柔らかくして病気の発生を助長するものと思いますがシンプロットの肥料はみんな窒素成分が高いので使いにくいような気がするのですが?

Q8:高温多湿の日本で本当に芝生にあった緩効性の肥料なんかあるのでしょうか?

Q9:緩効性で芝が伸びないと言われて蒔いたのですが、急に伸び始めました。なぜですか?

Q10:散布機が悪いのかいつもグリーンに少量撒くと色むらがでます。散布は難しいのでしょうか?

Q11:シンプロットの肥料で一番売れているのはどの肥料ですか?

Q12:シンプロットの肥料で肥料計画をくみたいのですがどのようにすればよいのでしょうか?




Q1:シンプロットの緩効性肥料は絶対肥料焼けしないのでしょうか?

 

A:絶対に肥料焼けしない肥料はあり得ません。シンプロットの肥料も肥料焼けする可能性はあります。ただ、様々な肥料の種類の中で肥料焼け“しやすい”肥料と肥料焼け“しにくい”肥料はあります。シンプロットの肥料は肥料焼け“しにくい”物が主流です。肥料は天然有機質肥料を除いて、ほとんどの肥料は何らかの化学物質で作られています。それを植物である芝生に蒔くのですから何らかの注意は必要です。芝生における肥料焼けは大別して二つの可能性があります。一つは“葉焼け”、もう一つは“濃度障害”です。よく言われる肥料焼けは、葉焼けのケースが多いようです。葉焼けのシステムは単純です。芝生の葉に高濃度の肥料養分の溶液が付着して起きます。この条件がそろえばどのような肥料でも葉焼けを起こします。原因としては、乾燥状態の芝ではなく、露や葉が濡れている状態で散布し、肥料の粒が葉に付着して少量の水で溶解して高濃度で葉に付着する。または、同時にカートや散布機で圧力がかかり肥料の粒がつぶれて同様に高濃度の溶液が葉に付着するなどが考えられます。乾燥状態の芝であれば肥料の粒はほとんど芝の間に落ちてしまい、葉に付着する可能性は大変低くなります。また、散布後の散水を十分にすれば肥料の粒や粉が葉から落ち、完全に葉焼けの可能性はなくなります。ここで重要なのは散布の時、“乾燥した芝生に撒く”、そして散布後は必ず散水すると言うことです。もう一つの濃度障害ですが、これは肥料をこぼしたり、極端に撒く量を間違えたり、肥料の蒔きムラを起こしたときに起きる物です。土壌に高濃度の成分がとけ込み、根から障害を与えます。濃度を下げるために多量の撒水をする必要があります。

 

Q2:コーティングの粒が芝刈機などで拾われてしまわないのでしょうか?

 

A:100%拾われない、ということはありません。が、拾われる可能性はアメリカの大学の研究でも数%の確率と考えられています。散布するときは芝刈り直後に散布して、散布から刈り込みまでの時間をなるべくとってください。散布後に散水すれば葉の上に落ちた肥料の粒が下に落ちますので、必ず散水してください。散布後1週間すると肥料が水分を吸いますので、重量が重くなり刈り上げられることはほとんどなくなります。

 

Q3:シンプロットの肥料は他の輸入肥料に比べて価格が安いのはなぜでしょうか?

 

A:肥料に限らず日本の流通は大変複雑で、層が多いのでどうしても末端の価格が高くなってしまう傾向があります。過去にはシンプロット→輸入商社→総卸元→代理店→ゴルフ場という流通でしたが、この流通ですと各流通会社が15%〜20%のマージンを取っても、末端価格が輸入原価の二倍以上になってしまいます。そのためシンプロットは新しい流通方法としてシンプロット→代理店→ゴルフ場という米国と同じ流通方法にしました。当社はシンプロットの代理として為替、肥料登録、在庫、輸送の業務を代理するだけで、マージンを取っていません。この新しい流通のため過去の価格に比べて30%〜50%の価格の値下げが可能となりました。

 

Q4:シンプロットの肥料はいろいろな色の粒が入っていますがどうしてですか?

 

A:シンプロットの肥料のほとんどがいわゆる“配合肥料”という肥料になります。これは何種類かの肥料成分の粒を混ぜて一つの肥料にしている物でBB肥料(バルクブレンド)などといわれています。それに対していわゆる化成肥料(一粒生成)の肥料はすべての粒が同じ成分になるように練り込まれた肥料のことを指します。それぞれ長所欠点があります。配合肥料の欠点はあまり少ない量で使用すると色むらがでやすくなると言うことです。長所としてはいろいろな配合が簡単にできるためいろいろな種類が作りやすく、また製造コストが安くなると言うことです。シンプロットの配合肥料は色むらをでにくくするために粒の重量と大きさを均一に飛ぶように配合してあります。

 

Q5:シンプロットの肥料を使えば有機肥料はいらないのですか?

 

A:有機というのは炭素の化合物一般のことを指します。よく使われる有機肥料は正確には天然有機質肥料のことを指します。これは天然由来の物質から作られた肥料のことを指します。商品の例としては。堆肥や鶏糞、骨粉、血粉などがあります。特徴としては自然界で自然に有機物質に固定された窒素成分等が土壌中で徐々に微生物、加水分解等で分解される古典的緩効性肥料といえます。ただし肥料成分は大変低く窒素では6%前後が限界です。ですから芝生に必要な主要素をこの天然有機質肥料で補おうとすれば大量に使用しなければならずコスト的にも作業的にも不可能です。この点ではシンプロットの緩効性肥料を使えばコスト的にも作業的にも比較にならないほど削減できます。ただ、この天然有機質を有機質補強のための土壌改良材と使用する場合は、シンプロットの肥料を使用していても、土壌を改良する必要があるときはこれらの天然有機質資材が必要となるでしょう。ただし原料によっては病害や雑草種子、重金属を含む場合がありますので注意しましょう。土壌中の有機質は通常3〜5%程度あれば十分ですので、土壌分析をして確認しましょう。

 

Q6:1袋千円台の化成を使っていますが、それよりシンプロットの肥料は安いですか?

 

A:1袋当たりの単価を単純に比較するのは正しい考え方ではありません。まず第一に比較する肥料の内容成分量を比較する必要があります。8−8−8の肥料と24−5−11の肥料では単純に窒素成分は後者の方が3倍の成分が入っています。ですから窒素だけで見れば前者が1000円なら後者は3000円でも同じ価値になります。しかも通常国内の化成肥料は速効性の窒素成分が主流ですので、芝生が養分を吸収する前に気体による蒸散や地下水への流亡、脱窒を起こして成分が無駄になりますが、シンプロットの肥料にはほとんど緩効性の成分が入っており無駄なく、余分な成長もなく健全な芝を育てます。また散布回数も軽減できますので、年間の管理費としては大変コストを削減することができると思われます。

 

Q7:窒素は芝生を柔らかくして病気の発生を助長するものと思いますがシンプロットの肥料はみんな窒素成分が高いので使いにくいような気がするのですが?

 

A:窒素成分が芝生を柔らかくしたり、過度な徒長をさせるという窒素悪者論は一般的に常識のように思われていますが、ここには若干誤解があります。本来の窒素の役割は植物全体の体の構成、また生育に必要なほとんどのエネルギーの元になっていると考えられております。人間で言えばまさに主食といえましょう。芝生において芝生が吸収する窒素成分の大部分はアンモニア態と硝酸態の窒素です。芝生には通常尿素がもっとよい窒素肥料と考えられています。これは硫安などの硫酸根の問題が少ないからです。尿素はアンモニアと炭酸の化合物ですので土壌にはいると分解されてアンモニア態窒素として芝生に吸収されます。アンモニア態窒素は、植物が必要な量の窒素しか吸収しない、しかもエネルギーに変えやすい、芝生には理想的な窒素ですが、世界中の土壌には“硝酸化菌”というのが住んでおり、土壌に入ってきたアンモニアを速やかに硝酸態に変えてしまいます。硝酸態窒素は植物に無理矢理吸わせる“贅沢吸収”の特徴がありしかも植物体内で利用するのにもエネルギーが必要です。また硝酸態窒素は脱窒など流亡や気体になって移動してしまう特性があるため大変不安定です。このように自然界では窒素の形態は自然条件で様々な変化を起こしてしまうため、芝生に計画的に養分を与えるのが大変困難です。過度な徒長、不健全な生育を起こさせるのは、窒素成分の中でも硝酸態によるものが多いと思われます。また、一般的に国内の肥料はリン酸が高く、この過剰なリン酸が芝生の細胞分裂を過剰にして芝生を柔らかくしているのではないかとも思われます。このように自然界ではコントロールしにくい窒素成分を人工的に管理しようとするのが緩効性肥料です。緩効性窒素肥料にもいくつかの技術がありますが様々な条件を勘案して選択しなければなりません。特に高温多湿の気候の日本において土壌微生物の活動はアメリカの比ではないはずですので、よりシビアな施肥管理が必要だと思われます。緩効性の肥料を使うことにより養分を無駄にせず、芝生にとって必要十分な成分を与え健全で質の高い芝生を作ることができます。これは人間で言えば毎日きちんとお茶碗一杯のご飯を食べることといえるでしょう。

 

 

Q8:高温多湿の日本で本当に芝生にあった緩効性の肥料なんかあるのでしょうか?

A:芝用緩効性窒素肥料のほとんどがメチレン尿素、UF、IBDU、CDU、硫黄コーティングのいずれかの肥料です。これらは微生物の活動や雨(水分)量が成分の溶出に密接に関連しています。そのためいつも同じ効果が出るとは限りません。土壌条件や気候条件によって肥料の効きは変わってしまいます。シンプロット社の肥料のいくつかはポリョンコーティング技術とユーマックス技術を使用しています。この二つは土壌微生物や雨の量にほとんど影響を受けません。ぜひお試しください。

 

Q9:緩効性で芝が伸びないと言われて蒔いたのですが、急に伸び始めました。なぜですか?

A:散布後の芝の成長は使用されている緩効性の技術と生育条件、散布後の気象条件にもよりますが、多くの場合、過去に散布した肥料養分が土壌に堆積していて、緩効性肥料を蒔くことにより今までなかった窒素成分が適当に溶出するために、いままで吸えなかった土壌にたまっていた養分を一気に吸い始め、一時期急激に伸びることがあります。よく見かけるケースはリン酸が過度に堆積しているケースが見られます。これは過去に並びの化成肥料(8−8−8など)を連用していたケースが最も多いです。肥料を散布する前に土壌分析をすることをおすすめします。シンプロット社でも土壌分析のサービスを行っておりますのでお気軽にご連絡ください。

 

Q10:散布機が悪いのかいつもグリーンに少量撒くと色むらがでます。散布は難しいのでしょうか?

A:フェアウェー用の普通粒は通常のTPO式の散布機で問題ありませんが、グリーン用の細粒を蒔く場合は国内製の手押しスプレッダーの使用はお止めください。通常細粒は均一に播けません。シンプロット社のプロスプレッダーか米国製の輸入品のスプレッダーを使用することを強くおすすめ致します。また、通常の土壌は均一に水が浸透することはありません。乾燥時期やドライスポットが発生しやすい土壌では肥料養分の均一な浸透が妨げられ、肥料むらが出る場合があります。浸透剤等を使用して均一な水分浸透を心がけましょう。


Q11:シンプロットの肥料で一番売れているのはどの肥料ですか?

A:グリーン用では、樹脂コーティングの”グリーンズコート14,19,18”またティー、フェアウエー用では同じく樹脂コーティングの普通粒”カスケードK”小粒の”ショートカット22”です。また、新しい緩効性技術を利用した”ユーマックス”も注目されております。

Q12:シンプロットの肥料で肥料計画をくみたいのですがどのようにすればよいのでしょうか?

A:まずはじめに土壌分析をしなければいけません。芝生が必要とする養分は「すでに土壌にある物+人間や自然界から土壌に加えられた物」です。自然から来る肥料養分は大変少ないので無視してかまいません。ですから我々、管理している人間が肥料として与えた物を芝生は吸うわけですが、すでに土壌に何かの養分が入っていればそれを計算に入れなければいけませんし、土壌の物理性も肥料の効果に大きな影響を与えます。すでに土壌に入っている養分や物理性を計算せずに肥料計画を組むと、期待通りの結果が出ないだけでなく、肥料の無駄や最悪の場合芝生が悪くなることも考えられます。弊社でも土壌分析を行っており、芝生の種類によって必要な養分の推奨値もでます。必ず土壌分析を行って土壌の化学性、物理性を確認してから肥料計画を組みましょう。